フランス人は10着しか服を持たない

タイトルフランス人は10着しか服を持たない
原題Lessons from Madame Chic
著者ジェニファー・L. スコット
神崎朗子
初版2014年10月21日

5年前に日本でも発売されて当時話題になった「フランス人は10着しか服を持たない」を取り上げたいと思います。
この本が発売されてから、日本のミニマリスト的なライフスタイルが流行し始めた気がします。コンマリさんんの登場も影響が大きかったかと思いますが。

marchi不動産もライフスタイルの発信を…と思ったときに、
最初に読み直したのがこの本です。

シック(chic)とは

シック (chic) という言葉。
日本でもシックな装い、シックなスタイル、シックな人、など、
わりと良く使われますが、フランス語だって知っていましたか?
シック (chic) という言葉はフランスのもので、アメリカの概念ではないようです。

確かに言われてみると英語のシックは、sick = 病気、うんざり、くよくよ、など、
全く異なる言葉をイメージしますね。

フランス語の シック(chic)の微妙なニュアンスは、どちらかというと日本的というか、日本人の感性と相性の良い言葉だと思います。
言葉の意味としては、上品さ、あか抜けた、洗練された、という意味で紹介されますが、
もう少しニュアンスを含んだ言葉だと思います。

フランス人は~では何度もこのchicが登場し、読み進めるにつれニュアンスを感じ取っていくことになりますが、とても心惹かれる言葉です。

フランス文化とアメリカ文化の対比

本の内容は、南カルフォルニア出身の著者が、フランスの貴族の家にホームステイし、そのライフスタイルに大きな影響を受け、感じ取ったことを綴ったものです。

これが日本人ではなくて、カルフォルニアのアメリカ人が書いているのがとても面白いです。
アメリカは大量消費国として世界トップクラスに君臨してきました。
その消費が正義のアメリカ文化を考えると、恐らく、日本人以上にアメリカ人の方がフランスのライフスタイルとのギャップが大きいのでしょう。

かなりのライフスタイルの違いに驚き、影響を受ける描写が印象的です。
著者の優れた点は一つの事象から様々な気づきがある事です。
普通に異文化に飛び込んでも、ここまでの気づきはないのではないでしょうか。

著者がホームステイしたのは大学生の頃ですので、とても敏感に物事を捉えられる年代だったのも大きいとは思いますが、彼女が一つのことから様々な事を学び取れる、そういう人だったというのもこの本を面白くした原因だと思います。

現代のミニマリスト入門書として

さて、あまりネタバレも良くないですが、一言で言うと、現代のミニマリスト入門書には最も適した本だと思います。服だけの話ではなくて、ライフスタイルの指南書であることがとても重要です。

最近の日本のミニマリスト志向は、ともすると単に所有物を減らすとか、持たないことが重要であるかのように、ライフスタイルの入口がやや間違っている気がします。

こんまりさんのトキメキにも似た概念ですが、やはり入口は自分のライフスタイルを充実させるため、というのが前提としてあって、その方法論としてのミニマリズムというライフスタイルがあるべきだと再認識させられます。

特にこの本の中でも繰り返し主張されていることは、いかに自分に合った物、愛せるものを普段から使えるかということです。
単純にものの量がどうとか、高価か安価かという点を入口にしていません。
ものの選び方の基準はやはり、chicかどうかでしょうか。

ですので本のタイトルを見て、フランス人がみんな10着しか服を持たないんだなぁとか、フランス人ってそういう人たちなんだなぁとか、そういった話ではありません。
あくまでタイトルはタイトルです。
原題をみると、日本のマーケティング戦略であると気づくでしょう。

自分自身のスタイルを確立し、磨きをかける。
これは人生を楽しむ一つの方法だと思います。
様々なスタイルがあって良いし、それぞれがそれぞれのスタイルを尊重し合える世界はとても素敵なわけですが、自分のスタイル探しをしている方には、ぜひお勧めの一冊です。

錦糸町とシック(chic)

最後に錦糸町のPRを…。
一応、錦糸町の不動産屋ですので…(笑)

久しぶりにこの本を読んで錦糸町との共通点を探してみました。
本の舞台が花の都パリ。しかも16区…。やや劣勢でしょうか…。
無理くり共通点を見出すとParc de Bagatelleと錦糸公園でしょうか…(笑)
いえ、そんな無理を言うつもりはありません。

錦糸町でchicなライフスタイルをと考えた時、chicな物と出会える可能性は高いと思います。そこは職人の街、錦糸町。
実は食器から洋服、靴など、一点もののシックに出会える可能性は高いです。
ぜひ、錦糸町でchicな一品と出会って欲しいです。

錦糸町でシック(chic)なものと出会えるお店たち

廣田硝子株式会社 すみだ和ガラス館
https://hirota-glass.co.jp/
すみだ江戸切子館
http://www.edokiriko.net/
安藤製靴株式会社
http://www.ando-shoe.com/home.htm
錦糸テーラー
https://kinshi-tailor.com/